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試作加工

『コイルのまま表面粗化したい』

『コイルのまま表面粗化したい』

0.05mmtの材料をコイルのまま表面粗化したい

 最近、密着性を上げる目的などで『表面を粗した金属箔が欲しい』というお問い合わせが増えており、弊社も在庫の金属箔を協力会社様に加工して頂いているのですが、『コイル状での加工が難しい』とのことで、これまではシート材のみの対応としておりました。 

  • シート材であれば、A4サイズ程度でできる。

以下の画像はチタン箔の0.05mmtを両面粗化したものです。

左側の反射している部分が加工前の表面、右側のくすんで見える部分が粗化後の表面です。

元材はRz 1.12μmですが、加工後の表面はRz 3.5μm程度でした。

今回は極力反りやシワ等を抑える狙いもあるため、上記の仕上がりでしたが、『シワや変形を気にせず、粗いものが欲しい』という場合はRz 6μm程度とすることも可能なようです。

 粗化1.jpg 

  • 量産を見据えると、コイル材での加工が必須!

『評価結果が良いため、量産見積をお願いします。』とご連絡頂くケースもございますが、シート材の加工ですと、作業効率もほとんど変わらないため、加工費もあまり変わらず、量産品受注に結び付くことは極めて稀です。

 このような状況を打開するため、今回協力会社様のお力添えを頂き、コイル材でのチタン箔(0.05mmt)とステンレス箔(0.05mmt)の両面粗化にトライしました。

設備や加工の都合上、製品幅を80mmとしましたが、仕上がりは以下の通りです。

 

〇チタン箔TR270C-H 0.05mmt
粗化2.jpg

(左側:加工前 Rz 1.26μm 右側:加工後Rz 3.5~3.8μm程度)
粗化3.jpg

左側の材料は治具などが反射して写ってしまっておりますが、右側はそうではないことがお分かり頂けるかと思われます。

  

ステンレス箔SUS304-H 0.05mmt
粗化4.jpg

(左側:加工前 Rz 1.53μm 右側:加工後3.1~3.4μm程度)
粗化5.jpg

こちらもチタン箔同様に右側は反射しておりません。  

  • さらに薄いものに挑戦!

 今回の試作結果を踏まえ、現在協力会社様と0.01mmtや0.02mmtなどさらに薄い厚みの加工を検討中です。

 こちらも実施しましたら、記事にしたいと思います。