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試作加工

『付かないはずなのに、付いてしまった…』

『付かないはずなのに、付いてしまった…』

オーステナイト系ステンレスのSUS304は磁石が付かないとされていますが、実際に在庫品で試してみたところ、付いてしまいました…

  • どうして付くのか。

 上記の通り、SUS304はオーステナイト系ステンレスのため、通常は磁石に付かないようですが、圧延加工などで大きな力が加わると、結晶構造が変化して磁性ありのマルテンサイト系になってしまうようです。

〇SUS304-H 0.02mmt → 磁石により持ち上げられています。
磁性1.jpg

 

  • 熱処理をすれば付かなくなる?

 いろいろと調べていたところ、熱処理をすれば磁性がなくなる可能性があるようなので、協力会社様にお願いし、上記材料を使用して試作(3条件)をして頂きました。

 結果については、以下の通りです。

 〇3/4H材(Hv 330程度) → 磁石に付きませんでした。
磁性2.jpg


〇1/2H材(Hv 270程度) → 磁石に付きませんでした。
磁性3.jpg


〇O材(Hv 190程度) → 磁石に付きませんでした。
磁性4.jpg

「一番高い温度で加工するO材だけ付かなくなるのではないか」など加工条件により結果に違いが出ることも踏まえて、3条件にて実施しましたが、いずれも磁石に付くことはありませんでした。

なお、弊社ホームページの各種金属箔加工の熱処理のページにも記載しておりますが、H材を後加工で熱処理すると形状がトイ状になってしまいます。

形状の点からしますと、一番熱が掛からなかった3/4H材が一番良かったです。

「弊社の磁石に付かなかった=磁性を帯びていない」ということを示すものではありませんが、このような試作も承っております。

 
ちなみにSUS316L-Hにも磁石を近づけてみましたが、SUS316L-Hは磁石に付きませんでした。